PICってなに?
 PICとは、信号を制御できる小さな半導体チップです。(詳しくは、下を読んでね)

信号を制御することは、日常生活の中でよく行われていることです。

え?難しい話?? いや、日常生活のいろいろなシーンを思い浮かべて下さい。

シーン1:テレビ
 最近のテレビの多くには、リモコンが付属していると思います。チャンネルを変えたり音量を調節したりと、
離れたところから遠隔操作できる便利な世の中になりました。
 このリモコン、どのスイッチを押したかによって、特別な手順で赤外線が光るように回路が組まれています。
どのスイッチを押したか調べ、必要な光の信号を出力するわけですから、信号制御を行っているわけです。
 また、受け取った赤外線の光量から判断し、テレビの方ではチャンネルを変えたりと反応するように動作させ
ています。

シーン2:自動車
 最近の自動車は、いっぱいスイッチがついています。
座席の位置を前後させたり、窓の開け閉めをスイッチで操作しています。
古い車にもスイッチはついていましたが、ワイパーとウィンカー、そして照明用のスイッチ程度だったように思います。
現在では、パワーウィンドウが標準装備で、エアコンもほとんど付いています。
高級車と呼ばれるグレードには、雨を感知するセンサが付いていて、雨が降り出すと自動的にワイパーが動くようにも
なっています。
ライトについても同様で、暗い場所にさしかかると自動的に前照灯が点灯したりします。明るさの信号を見ているのです。
自動車の中は、このように制御の固まりといって良いでしょう。

シーン3:コンビニエンスストア
 コンビニに入ろうとすると、自動ドアが開きます。どうして自動に開くのでしょう?
実は、人体は皮膚の表面が暖かいので、赤外線を発しているのです。
その赤外線の量を測定することで、そこに人がいるかどうかを検出しているのです。
赤外線の有無から判断し、ドア開閉用モータを正転させたり逆転させたりしているわけです。

そこで、制御を行う小型コンピュータの登場となります。
何種類もある
小型コンピュータの中のひとつに「PIC」というものがあります。


制御用のコンピュータって?

コンピュータで制御を行う方法は、時代によって様々なサイズのコンピュータを使って実現してきました。

制御の分野で使われているものの一部を紹介しましょう。


  上部の大きいボードは、パソコン用の
 増設基板です。
 大きい基板+パソコンで、ようやく制御が
 できるようになります。
 でも、これじゃあ邪魔で仕方ないですよね。

  下段の3つの基板は、ワンボードマイコンと
 呼ばれる基板です。
  左側の基板はCPU、RAM、ROM、I/Oの
 それぞれの専用LSIを組み合わせてあります。
  中央の基板は1つのLSIの中にCPUとI/O
 の機能がまとめられ、それにRAMとROMを
 組み合わせています。
  右側の基板は、CPU、RAM、ROM、I/O
 すべての機能を1つのチップに凝縮させたもの
 です。

 右下にある2つの黒いチップが「PIC」です。
 左は40本足のもの。
 右は8本足のもの。
 ともに、1秒間に5000000命令(500万です!)
 を実行できる高速なコンピュータです。
 

 

機器に組み込むことができるように、軽量コンパクトになるように改良が重ねられました。
その中の「PIC」は、手軽にハンダ付けでき、手軽にプログラムが開発でき、気軽にプログラムを書き込むことが
できるので、工作には持ってこいだと思います。


なぜPICっていうの?

PICを製造しているのは、マイクロチップ社という企業です。

マイクロチップ・テクノロジー・ジャパンのサイトは → http://www.microchip.co.jp/
マイクロチップ・テクノロジーの本社サイトは →    http://www.microchip.com/

PICは「 Peripheral Interface Controller  」 の各頭文字をとったものです。
Peripheralとは周辺とか末端部の、Interfaceとはコンピュータ本体と外部との接続、Controlleとは制御装置という意味です。

つまり、プログラミングが可能な周辺機器を直接制御できる制御用チップというような意味になるわけです。