ものづくりの小部屋  製作実習関連のコーナー

 コーナー2. PICカーについて


 <1.製作内容>

  製作するPICカーとは、床の色を判別するセンサーからの情報を元に、左右のタイヤを
  どのように動かすかをPICと呼ばれるマイクロコンピュータで制御するものである。

  センサ回路やモータドライブ回路は、それぞれ専用の部品を使用することで、回路構成
  を極力最小限にとどめている。

  完成作品は、次のようなものとなっている。


     平成17年度 製作バージョン       

  平成16年度までは、制御チップはマイクロチップ社のPIC16F84Aを使用していた。
  平成17年度からは、安価で高機能なPIC16F628Aを利用することにした。

  実習内容は、アルミ板の穴加工・曲げ加工、生基板からプリント基板の製作、基板への
  ハンダ付け作業、ギヤボックスやボールキャスタの組み立て、全体の組み立てと配線、
  動作確認 という流れで作業をすすめている。

  また、完成した作品は2年生の「PICのプログラミング実習」でも使用している。

  (基板のパターンはフリーソフトの「PCBE」を使用して設計しています。あらかじめ教員
  サイドでパターンを透明フィルムに印刷しておき、それを使って生基板
パターンを転写し、
  
エッチング処理していきます。  )


 <2.使用部品> 

平成17年度バージョンは、下記の表のパーツを使用しています。

記号 品    名 数量
IC1 制御用マイコン マイクロチップ社 PIC16F628A
IC2,3 モータードライバーIC 東芝 TA7257P
OSC1 セラミック発振子 村田セラロック 10MHz CST10.00MTW
SENS1,2,3 フォトマイクロセンサ オムロン EE−SY310
R1,2,3,4 カーボン抵抗 1kΩ
R5,6,7 カーボン抵抗 330Ω
R8,9,10 カーボン抵抗 200Ω
C1 電解コンデンサ 16V 100μF
C2 積層セラミックコンデンサ 0.1μF
LED1 発光ダイオード 3φ 赤
LED2 発光ダイオード 3φ 黄
LED3 発光ダイオード 3φ 緑
D1 整流用ダイオード 10E4 相当品
SW1 スイッチ 日本開閉器
     
  コネクタ 10pin オス JST S10B−EH
  コネクタ 10pin メス JST 10HR−4K
  コネクタ 6pin オス JST B6B−EH
  コネクタ 6PIN メス JST 06HR−4K
  ICソケット DIP形 18PIN
  アルミ板 60mm×270mm×1t
  生基板 片面60mm×120mm×1.6t
  10芯フラットケーブル 10c 250mm
  ツインモーターギヤーボックス タミヤ ITEM70097 1式
  タイヤ 2個(一式) タミヤ ITEM70111 1式
  ボールキャスター 1個(0.5式) タミヤ ITEM70144 1個
  六角スペーサー 10mm M3 広杉計器 BSB-310
  六角スペーサー 15mm M3 広杉計器 BSB-315
  電池ホルダー A311 (単3×4本タイプ)
  電池ホルダー用スナップ T型 BS(リード線付006P)
  ビス M3×7mm
  ナット M3×2mm 10
     

 <3.回路図>


 <4.関連知識>

  4−1.ラジオの回路
   (1)ストレート受信機
     受信電波をそのままの周波数で検波して信号波を取り出す。


   (2)スーパーヘテロダイン受信機
     受信周波数を一定の低い周波数に変えてから増幅し、検波して低周波信号を取り出す。
     感度が安定し、選択性能がよい受信機が作れる。

 

  4−2.各部の主な働き
   (1)アンテナ
      電波(電磁波)をとらえ、電気信号にかえる。
   (2)同調回路
      目的の放送局を選ぶ。
      コイルとコンデンサで構成する共振回路により受信する放送局の信号に同調させる。
   (3)周波数変換回路
      受信周波数を低い周波数に変換する。
   (4)中間周波増幅回路
      中間周波数を増幅し、安定した利得を得るとともに選択性を高める。(混信を減らす)
   (5)検波
      ダイオードにより中間周波信号から音声信号を取り出す。
   (6)AVC(自動音量調整)、AGC(自動利得調整)
      入力信号の強弱に関わらず、音声信号が一定になるように利得を調整する。
   (7)低周波増幅、電力増幅
      スピーカーを鳴らすのに必要な出力を得る。


 
 4−3.製作するラジオの基本構成
    製作するラジオは、チューナー用ICと、低周波増幅用のICを用いている。
    チューナー用ICは、同調回路で選局された信号を増幅し、中間周波へ変換し、その信号を増幅して検波する。
    低周波増幅用のICは、小型スピーカーで音を出すための出力約1Wのアンプである。


 <5.製作日程>

   この実習は、連続3時間の実習時間を5週間かけて完成させるものである。
   日程は、次のように進めている。

1週目  ・回路図の確認
 ・部品の点検
 ・PCBEの使い方を学習
 ・ラジオのパターン入力
2週目  ・ラジオのパターン入力
 ・パターンの点検
3週目  ・プリント基板の製作
 (感光剤塗布・露光・現像・エッチング)
4週目  ・プリント基板の製作
 (穴あけ・ハンダ付け・動作確認)
5週目  ・本体加工 および レポート整理

 


 <6.作品例>

  試作品バージョン1







   作品例2